みなさん。ごきげんいかがでしょうか。
「酒は一滴も飲めませんが、毛穴で飲んでいる女」こと岡元タミです。
今回は、諏訪五蔵のひとつ「真澄」の宮坂醸造です。
宮坂醸造(みやさかじょうぞう)
所在地 | 〒392-8686 長野県諏訪市元町1−16 |
アクセス | JR中央本線 上諏訪駅より徒歩約15分 |
セラ真澄営業時間 | 10:00〜17:00(原則として毎週水曜日及び1月1日休) |
電話番号 | 0266-52-6161 |
ホームページ | https://www.masumi.co.jp/ |
オンラインショップ | https://www.masumi.jp/ |
諏訪五蔵の共通の情報はこちらへどうぞ。
刀を置いて酒の世界に飛び込んだ宮坂家
宮坂醸造はJR中央本線上諏訪駅から一番遠い場所にあります。他の4軒は比較的くっついているのですが、宮坂醸造はちょっと離れた場所にあります。効率よく酒蔵めぐりをするには一番奥の宮坂醸造から駅に向かうルートがベストだと思います。
宮坂醸造の創業は1662年。かつて宮坂家はこの諏訪の地を治めていた諏訪家に仕えていた武士でした。時は戦国時代。武田信玄や織田信長が諏訪家を襲いかかります。動乱の最中、宮坂家は刀を置いて武士をやめることを決断します。そして、酒の世界に飛び込みました。
宮坂醸造の代表的な銘柄は「真澄(ますみ)」と言います。この名前は、諏訪大社の宝物「真澄の鏡」からきています。諏訪大社はかつて仕えていた諏訪家が代々大祝職(おおほうりしょく)を務めていました。「真澄の鏡」は現存していて、現在、上社の宝物殿にあります。
大祝とは?
諏訪明神の依り代(よりしろ-神霊が宿る対象物)・現人神(あらひとがみ-生き神様)として、諏訪社(上社・下社)の頂点に位置した神職です。
諏訪市ホームページより
諏訪家のことを思って「真澄」と名付けたかもしれませんね。
ちなみに諏訪大社は4社あります。(上社本宮・上社前宮・下社春宮・下社秋宮)私は、4社全て回るのに1日かかりました。3つの市町村を点在しているので、車での移動がおすすめです。諏訪大社の有名なお祭りで「御柱祭(おんばしらまつり)」が7年に一度実施しています。
協会7号酵母のふるさと
いきなり「協会7号酵母」と言われてもわかりませんよね?「協会」は「日本醸造協会」のことです。7号酵母なので7番目の酵母ということですね。「協会7号酵母」の別名は「真澄酵母」と言います。
かつて日本酒というものはそれぞれの蔵で生息している酵母を利用して造っていました。明治の時代に入り日本酒を造る「清酒酵母」の存在が確認されました。そこで国は「良質な酵母を探して純粋培養して日本全国の酒蔵へ提供しましょう。」と考えました。日本酒の品質底上げを狙ったのです。
鎖国をしていた江戸時代から、何もかも常識が変わった明治時代。新政府は何かと物入りだったのではないでしょうか。現代の日本の酒税法は昭和28年(1953年)から始まりましたが、鎌倉時代から酒による税金は存在します。明治4年(1871年)に醸造税が誕生しており、酒に対して税金とる気満々だったのがわかります。「おいしいお酒造れるようにサポートするから、たくさん作って、たくさん消費して、税金払ってね。」というのが本当の目的じゃないのかな?と思うのは私だけですかね…
宮坂醸造の酵母は国のお墨付きの良質の酵母と認められ、日本全国の酒蔵へと広がったのです。では、日本全国の酒蔵が全部「真澄」になるわけではなくて、それぞれの酵母が変化してまた違う味わいの酒に生まれ変わるのです。
購入したお酒
宮坂醸造の直営店は「セラ真澄」と言います。お酒だけでなく、酒器や鍋、酒のつまみなどもあります。お酒は、洗礼されたショーケースに入っていて、まるで芸術品のように飾られています。
眞澄 純米酒 奥伝寒造り
奥伝寒(おくでんかん)と読みます。はるか昔から続く酒造り。昔は当然冷蔵庫などの一定の温度で保つ保管するものはありません。なので雑菌の繁殖するリスクのない寒い時期に酒造りはスタートします。酒造りの閑散期の暑い夏は甘酒を造ります。甘酒は冬の飲みものだと思うかもしれませんが、数々の酒蔵では、酒造りを行わない夏に甘酒を造るので、甘酒の旬は夏です。夏に酒蔵をのぞいてみてください。いろんな甘酒が売っていますよ。
真澄は食卓のお供に置いて欲しいの願いがありますので食中酒になります。
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